4.自然音日記

会報25号 肋骨2本折った不注意

 

 肋骨2本折った不注意

今年の3月、例の如く喜多方市の冬山に登って、もう一度氷筍の音を録ろう。という誘いが年末から来ていた。

運動不足がたたっていたので、「ああ行きたくない」。これは毎年思う事だ。が、2年連続して連れて行ってもらい、お世話になった。

一回目の一昨年、緩んだ雪に足を取られながら登って頂上付近で滑落。昨年は足を雪にもぐらせて捻って全治半年の故障。今回はお酒で清めてから登るという手はずになっていた。しかし、この半年すっかり気力が落ちて何もする気が失せていた。そのためか体調も今一つ。1月に入っても行くためのトレーニングを全くしてなかった。

運動不足解消のためにも登るべきなのは分かっていたが⋯。

1月になり2月になり、「待っているから」との声をもらう。

断るつもりでいた3月初旬、裏磐梯のペンションのオーナー木村氏から「残念だけど今年は雪が少なくて登れないらしい」

「それは残念ですね」「諦めましょう」と心にもない返事をした。

それが祟ったのか、少し暖かくなった3月半ば過ぎ、いつもなら裏磐梯に行っている頃だ。

花の手入れをしようとベランダに出た。朝方まで雨が降っていたが、良い天気になっていた。

私が住んでいる4階はベランダに出るたびに梁の部分を越えなければならない。この梁は厚い防水ゴムで被われている。そこは滑り易いので人工芝を敷いてあった。

足下を確認せずに梁の部分に乗った途端、何の前触れもなくツルっと滑った。その滑り方は道端の氷の上を知らずに歩いたのと同じ、受け身を取る余裕もなく仰向けに叩き付けられた。

前日の強風で人工芝が飛ばされ、おまけに雨で濡れていた。そこへゴムのスリッパで乗ったものだから、たまったものではない。

運悪く、右後ろの大型の植木鉢に右脇腹をイヤというほどぶつけてしまった。

「イテーッ!」

しばらく息も困難なほどだった。

 

その後は鼻もかめない、咳をすると激痛。クシャミなどは全身に響く。

「肋骨にヒビでも入ったんだろう」。とは思っていた。

会社に出勤すると皆「医者に行った方がいい」と。

それでも行かなかったが「貼り薬だけでも貰ったら、あの貼り薬は大きくていいのよ」という女房の意見を聞き「なるほど」と、しぶしぶ医者に行った。

医者はレントゲンを見るなり、「ああ2本折れていますね」

コルセットと貼り薬をもらって帰えった。全治1ヶ月半。

この時期、冬山に登っても登らなくても怪我をする運命だったと、可笑しくなった。

 

以前、河口湖に録音に行った際、たまには温泉に入ろうと誰も居ない露天風呂の広い洗い場を歩いて居たとき、ツルっと滑って背中から落ちた。後頭部の髪の毛に何かが触った。

起き上がって見てみると、何と風呂の縁石。肝を冷やした。あと一センチ頭が落ちていたら救急車だったろう。

中学生の頃、柔道をやっていたおかげで、とっさに受け身を取ったようで、頭を持ち上げる癖も未だ付いていたようだ。

ベランダの時も脇腹こそぶっつけたが頭を打たなかったのは多分首を前側にしていたんだろう。

クワバラ、クワバラ。